STマイクロエレクトロニクスは、20億個のFlightSense™ dToF(ダイレクトTime-of-Flight)測距センサの出荷実績を持ち、カメラ・アシスト、VR、3Dウェブカメラ、ロボット、スマート・ビルディングなどの主要アプリケーション向けに新たなdToF / iToF(インダイレクトToF)測距センサを発表しています。最大2.3kゾーンに対応する業界初のオール・イン・ワンdToF LiDARモジュールは、スマートフォンのカメラ・アシスト機能やAR / VRアプリケーションに最適です。また、解像度672 x 804ピクセルの世界最小iToFセンサもLanxin Technology社で初のデザイン・ウィンを獲得し、量産が開始されています。
以下、プレスリリース引用
• 20億個のFlightSense™ dToF(ダイレクトTime-of-Flight)測距センサの出荷実績を持つSTが、カメラ・アシスト、VR、3Dウェブカメラ、ロボット、スマート・ビルディングなどの主要アプリケーション向けに新たなdToF / iToF(インダイレクトToF)測距センサを発表
• スマートフォンのカメラ・アシスト機能やAR / VRアプリケーションに最適な、最大2.3kゾーンに対応する業界初のオール・イン・ワンdToF LiDARモジュール
• 解像度672 x 804ピクセルの世界最小iToFセンサがLanxin Technology社で初のデザイン・ウィンを獲得し量産へ
多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、オール・イン・ワンのdToF測距センサ「VL53L9」およびiToF測距センサ「VD55H1」を発表しました。VL53L9は、業界をリードする2.3kの解像度を備えた3D LiDAR(Light Detection And Ranging)モジュールです。VD55H1は、500kピクセルの世界最小iToF測距センサで、Lanxin Technology社でデザイン・ウィンを獲得しました。
STのイメージング・サブグループ ジェネラル・マネージャーであるAlexandre Balmefrezolは、次のようにコメントしています。「シーン内の対象物までの距離を正確に測定できるToF測距センサは、スマート機器、生活家電、ファクトリ・オートメーションにおいて、魅力的な新機能の実現に貢献します。STはこれまでに約20億個のセンサを出荷しており、独自のポートフォリオを継続的に拡大しています。これには、単一ゾーンのシンプルなセンサから最新の高解像度3D iToF / dToFセンサまで、さまざまな製品が含まれています。STは、地理的に分散したモジュール組立て工場を含む、独自の垂直統合型サプライ・チェーンにより、ピクセルやメタサーフェス・レンズの技術、設計、製造まですべてに対応し、高度に統合された革新的な高性能センサを提供できます。」
VL53L9は、最大2.3kゾーンの解像度を実現する新しいdToF 3D LiDARセンサです。デュアル・スキャン投光イルミネータを組み込んだユニークな製品で、小さな物体やエッジを検出し、2D赤外線(IR)画像および3D深度マップ情報の両方を取得することができます。すぐに使用できる低消費電力モジュールとして提供され、dToF処理機能がチップ上に集積されているため、外付け部品やキャリブレーションが不要です。さらに、5cm~10mに対応する最先端の測距性能を備えています。
また、カメラ・アシスト性能の向上に貢献する機能を豊富に搭載しており、クローズアップ撮影や望遠撮影に対応します。静止画および60フレーム/秒(fps)の高速動画において、レーザー・オートフォーカスやボケ効果、シネマ効果などの機能を使用できます。VR(仮想現実)システムでは、高精度の深度および2D画像を利用して空間マッピングを強化することで、ゲームなどのVR体験(バーチャル・ビジットや3Dアバターなど)の没入感を高めることができます。さらに、短距離から超長距離まで、小さな物体の境界を検出できるため、仮想現実やSLAM(自己位置推定と環境地図作成の同時実行)といったアプリケーションに最適です。
iToF測距センサ「VD55H1」は、モバイル・ロボットのディープ・ビジョン・システムを手がける中国のメーカーであるLanxin Technology社のデザイン・ウィンを獲得し、量産が開始されています。Lanxin Technology社の子会社であるMRDVS社が、3Dカメラに搭載する高精度の深度センサとして、同製品を採用しました。VD55H1を搭載した高性能超小型カメラに3DビジョンとエッジAIを組み合わせることで、モバイル・ロボットにインテリジェントな障害物回避機能と高精度のドッキング機能を提供しています。
VD55H1は、マシン・ビジョン以外にも、3DウェブカメラやPC周辺機器、VRヘッドセットの3D復元、人数カウント、スマート・ホームやスマート・ビルディングにおけるアクティビティ検知などに最適です。小型チップに672 x 804センサ・ピクセルを搭載しており、50万ポイント以上の測距によって3次元表面を正確にマッピングできます。STの積層ウェハ製造プロセスと裏面照射技術により、その他のiToFセンサよりも小型・低消費電力でありながら、これまでにない高解像度を実現しています。そのため、ウェブカメラやVRアプリケーション(バーチャル・アバター、手のモデリング、ゲーミングなど)の3Dコンテンツ制作において高い信頼性を提供します。
VL53L9は、主要顧客向けに初回サンプルが提供され、2025年前半に量産が開始される予定です。VD55H1は、現在量産中です。
価格およびサンプル提供については、STのセールス・オフィスまたは販売代理店までお問い合わせください。
STは、2月26日~29日にバルセロナ(スペイン)で開催されたMobile World Congress 2024(ブース7A61)において、VL53L9を含むToF測距センサを展示し、詳細な技術を紹介しました。
注記
Time-of-Flight(ToF)測距センサは、2点間における光子の飛行時間を測定してその距離を算出します。
3D ToF深度センサは、視野内にある複数の対象物までの距離を計算する測距情報マップを提供します。投光イルミネータにより、3Dセンサは、後処理を改善するために2DのIRフレームを取得することも可能で、ユーザ体験の向上に貢献します。3D ToFセンサによるシーン・マッピングは、ロボットのナビゲーションや衝突回避に最適です。また、スマート・ビルディングでは、物体や人の検出と位置を特定し、室内の使用状況分析や緊急時の支援などに使用できます。また、3D ToFのレンダリングとカラー・イメージ・センサの出力を組み合わせることで、きわめて没入感の高いVR体験を実現可能です。
VD55H1は、送信した信号と受信した反射信号の位相シフトを測定することで、表面上の点との距離を計算します。このiToFセンシングは、信号の送信と反射信号の受信までの時間から測距を行うdToFセンシング(VL53L9などで使用)を補完する技術です。STは、さまざまな先進技術により、高解像度のiToF / dToF測距センサの設計だけでなく、アプリケーション要件に応じた最適なソリューションを提供できます。
STマイクロエレクトロニクスについて
STは、50,000名以上の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な総合半導体メーカーです。約20万社を超えるお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体3ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、クラウド接続型自律デバイスの普及を可能にします。STは、2027年までのカーボン・ニュートラル(スコープ1、2、および3の一部)の実現を目標にしています。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト(http://www.st.com)をご覧ください。
◆ お客様お問い合わせ先
STマイクロエレクトロニクス(株)
アナログ・MEMS・センサ製品グループ
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