VR/AR/MRクリエイティブプラットフォーム「STYLY( http://styly.cc )」を提供する株式会社Psychic VR Lab(本社:東京都新宿区 代表取締役:山口征浩)と、株式会社ロフトワーク(東京都渋谷区)、株式会社パルコ(本部:東京都渋谷区)による共同プロジェクト「NEWVIEW(ニュービュー)」は、VRコンテンツアワード「NEWVIEW AWARDS 2019」の受賞作品を発表しました。

誰もが3次元空間の表現を手にする近未来を見据え、VRの新たな表現と体験の世界を牽引し得る次世代クリエイターを発掘し、次なるステップへと進むきっかけをもたらすべく立ち上げた本アワード。第2弾となる今回は、2019年7月1日から9月30日までの期間、世界中から作品を公募をしました。

8ヶ国から合計145作品の応募があり、夢眠ねむ氏、Keiichi Matsuda氏、倉本美津留氏、Nick DenBoer氏、 Lu Yang氏、Keng-Ming Liu氏、大月壮氏、豊田啓介氏、谷口暁彦氏の9名の審査員による最終審査会を経て、グランプリをはじめとする各種受賞作が決定しました。

新たな表現の可能性を提示した作品がGoldとSilverを受賞

グランプリに相当するGold Prizeは、創作家としての子どもの成長を3次元空間での体験として記録した、たっくん(園児)による「たっくんミュージアム」が受賞。準グランプリに値するSilver Prizeには、VRでの漫画表現にチャレンジした「VR MANGA WORLD for STYLY」、フォトグラメトリー空間での身体感覚の変化を体験させる「Piece of String」、無意識の中の境界線について考察した作品「ne.mui」が受賞しました。

PARCOとタイアップした3D作品を制作し、渋谷PARCOに展示する権利が与えられる PARCO Prizeは「ne.mui」、Media Ambition Tokyoに作品出展できる権利が与えられるMedia Ambition Tokyo Prizeは「Piece of String」が受賞となり、いずれもSilverとのダブル受賞。松武秀樹氏とVRコンテンツを共同創作できる権利が与えられるHIDEKI MATSUTAKE Prizeは「Merging Memories」が、KMNZとのコラボ作家デビューの権利が与えられるKMNZ Prizeは「C’est la vie, SHOGYO-MUJO」が受賞しました。

受賞作およびファイナリストに選出された作品を体験できるエキシビジョンを12月22日(日)まで渋谷PARCO 9F クリエイティブスタジオ(渋谷区宇田川町15-1)にて開催中です。

NEWVIEWは、受賞したクリエイターの発展支援活動を通して、引き続き次世代のVRクリエイターの発掘・育成、3次元空間での新たなクリエイティブ表現と体験のデザイン開拓を目指します。

NEWVIEW AWARDS 2019 受賞作品紹介

■GOLD Prize 1作品 賞金20,000USD

作品名:「たっくんミュージアム」
作者:たっくん(園児|日本)

生まれながらのアーティストである子どもの創作物をVR空間に。xRにおける新たな思い出の記録方法。

受賞コメント:
この度はこのような素晴らしい賞をいただきありがとうございます。

本作は息子の可愛らしい姿や思い出の品々を、VRでいつでも見返せるようにしたいと思い制作いたしました。夏休みに息子と一緒に楽しみながら作ることができて、とても良い家族の思い出になりました。息子が大きくなったら家族みんなで再びこの空間を訪れて、4歳の息子に「おかえりなさい」してもらいたいと思います。

たっくん(園児|日本)

審査員コメント:
「未来の家族写真の共有はこうなっていくのかもしれない。xR世界を与えられたコンテンツを体験するだけでなく個人がアレンジして作って楽しめる、という一歩先のフォトアルバムサービスの発想にも繋がって「私もやってみたい!」と思ったという点では唯一無二。娘の嫁入り前にこれを見返してゴーグルの中で泣くのが恒例になるのが見えるような、そんな日常に溶け込んでいく可能性を思わせてくれる作品。」夢眠ねむ(夢眠書店店主)

「本作は、作者自身の子どもの成長記録になっている作品です。そこにはこれまで「たっくん」が生み出してきた絵や工作などの制作物が子どもならではの独自の世界観に基づいて配置されています。また、それだけでなく、自宅の部屋が子どもの成長に応じて変化する様子が3D空間で体験できる形で再現されています。それは、写真や映像のように意識的に記録されるメディアからはこぼれ落ちてしまう、何気ない日常の変化を捉えようとするものです。子どもの成長はそうした何気ないわずかな変化の積み重ねと、その周囲の環境との相互関係から生まれてくるものなのだと思えてきます。あっというまに過ぎ去っていってしまう子どもの成長を丁寧に記録に残そうとする姿勢に心を動かされました。」 谷口暁彦(アーティスト)

「たっくんミュージアムは、小さな子供の想像力と思い出から作られた世界です。シンプルでありながら非常に力強い作品だと感じました。このプロジェクトは意欲的でもあります。360°動画および2Dビデオ、アニメーションキャラクター、振り付けパフォーマンス、タイポグラフィ、フォトグラメトリー、部屋の3Dモデル、空間オーディオを組み合わせています。これらのほとんどすべてがたっくん自身が生み出しているため、非常に多くの異なるものを組み合わせているにもかかわらず、世界はとてもまとまりがあります。作品の流れと一連のイベントにも多くの注意が払われており、進むペースも良く、ユーザーの体験に注意を払っていると感じました。可愛くて、愛に満ちていて、技術的に完成されているだけでなく、なんといってもパーソナルで具体的であるため、ゴールドに値すると思いました。」Keiichi Matsuda(デザイナー・映像作家)

「すべてのアーティストは子供になりたいと思っていますが、子供からしてみればおそらく我々のクリエイションは目にも留まりません。そんな子供の視点や想像を捉えたいというクリエイターの意図をこの作品を通じて強く理解することができました。子供の想像力は限界を知らず、どこまでも冒険に満ちているものです。さらに重要なのは、共鳴についてです。私たちはかつて子供だったためか、作品を通じて表現される感情のゆらぎが私の中でも強く共鳴しました。その点で、この作品は洗練されていたり、「最も美しい作品」ではなかったかもしれませんが、感情を伝えることにおいて間違いなく一番でした。」Keng-Ming Liu(Bito創業者兼クリエイティブディレクター)

■SILVER Prize 3作品 賞金5,000USD

作品名:VR MANGA WORLD for STYLY
作者:小江華あき(バーチャルYouTuber/VR漫画家 |日本)

VR空間における漫画的な表現を試みた作品。xRの時代にどのように漫画は調和していけるのか。

審査員コメント:
「漫画という表現の進化。その一方向を提示した作品。漫画を読むものではなく体験できるものに。
その試みにおいて、ともすればアニメ的なものになりそうなところを、あくまでも漫画として昇華させているところがいい。」倉本美津留(放送作家)

「正直なところ、私個人の見解ではこの作品が1番だと感じました。私自身が独立したクリエイターということもあり、細部の完成度は作品の元となるクリエイティビティと同じくらい重要だと思います。その点でこの作品は完成度が高く、視覚効果にプロの技術が用いられていることに非常に感銘を受けました。私は、この作品にかけた献身と努力に対して、このクリエイターを心の底から称賛したいと思います。一人のクリエイターとして、作品に真剣な努力をしたクリエイターへのサポートをここに示したいと思います。」 Lu Yang(アーティスト)

作品名:Piece of String
作者:Wyatt Roy(クリエイティブ・ディレクター |United States)

フォトグラメトリーで描かれる住人がいなくなり残像だけが残った家。糸を手繰り寄せるように徘徊すると次第に、身体感覚に変化が起きる。

審査員コメント:
「私は、この作品をとても気に入りました。私自身もトロントのスタジオで同様のフォトグラメトリーを使って自分をスキャンした経験がありますが、この作品は非常にユニークな見せ方をしていた点が印象的でした。私はスケールを使用して空間を探索するのが大好きだったので、単一のアセットを使ってより大きな作品を作るこの作品の見せ方は非常に賢い方法だと思いました。このコンセプトでキャラクターを使ってゲームを作った暁にはさらに世界が広がり、よりクールな作品になると多くのポテンシャルを感じました。SILVER受賞、おめでとうございます。」Nick DenBoer(映像作家)

「ごくありふれた部屋が、コードを辿るという何気ない行為の結果、空間的な位置関係やスケール、部屋という環境の存在そのもの、ひいては自己の存在そのものまでをもあらためて問い直すような領域に独特の私的で詩的な空間でいつのまにか導いていくという点で、アーティスティックな可能性として特に優れていると感じました。現実感が虚構性を演出し、虚構性が現実の意味を再構成して問い直す、そうした意味の抽出と編集という行為に、VRというメディアは向いているのだなと改めて感じさせてくれた作品です。」豊田啓介(建築家・noiz )

作品名:ne.mui
作者:オノ夏キ(USB人間 |日本)

「無意識の中の境界線」について考察した作品。タイトル「ne.mui」の意味、「ne.」はNetwork、「mui」は「無意」。

審査員コメント:
「作品の制作目的と結果としての着地感としては詰め切れてない点も多く、未完成な作品という印象も受けましたが(特に操作面)、誰に何を与えるわけでもない個人的な妄想世界を奇抜なビジュアルと圧倒的に広い空間としてこれでもかと表現していた様に好感が持てました。空間を進むごとに変化していくビジュアル感は飽きることなく楽しめましたし(が、操作感が悪い、、、)、ビジュアルアートとして「カッコイイな」と思える部分があったのが印象的でした。未完成さが良い意味で次に期待したくなる要因とも感じていますので、次作があったら体験者を意識して、更なる圧倒的奇抜なビジュアル世界にスムーズに没入させてくれることを期待しています。」大月壮(映像作家・映像ディレクター)

「「無意識の中の境界線」をテーマに、広大な空間で構成された熱量の高い作品でした。抽象度の高いテーマでありながら、「境界線」とその内と外での世界の変化を丹念に繰り返し作り出すことで独自の解釈や、それに基づく世界観を生み出すことに成功していたと思います。それはまた、夢うつつのなかで現実と夢のなかを彷徨うな体験でもあります。このVRという表現手法と、その技術が、作者自身の個人的な体験とその身体に分かち難く結びつき、まるで絵の具や粘土といったフィジカルな素材のように身体化し、無意識的に用いられていることが強く感じられました。そこに新しいVR作品のあり方の可能性を感じました。」谷口暁彦(アーティスト)

■PARCO Prize 1作品

作品名:ne.muis
作者:オノ夏キ(USB人間 |日本)

※SILVERとダブル受賞

審査員コメント:
「「無意識」というコンセプトを空間で表現するというチャレンジ、また空間を歩いていて、終わりがどこにあるのか、完成が最後まで予想できないことに面白さを感じました。渋谷PARCOでは、昨年PARCO Prizeを獲得したDiscontさんの作品展示がとうとうスタートしました。オノ夏キさんにも、渋谷PARCOをキャンパスに、我々が思いもよらないような魅力的な空間作品を創り出してほしいと思います。」林 直孝(パルコ 執行役 グループデジタル推進室)

■HIDEKI MATSUTAKE Prize 1作品

作品名:Merging Memories
作者:平井 健一郎(アート/広告 プランナー |日本)

SNSを通じてさまざまな人の写真で作り上げた「呑んべ横丁」。制作協力した人の写真と撮影日とともに記録。

審査員コメント:
「フォトグラメトリによって再現されたノスタルジアな空間は、過ぎ去った時代の匂いを鮮明に感じると同時に、単に懐古に浸るだけではなく、そのVR空間に潜在意識が引き寄せられるような新しい感覚に面白さがあった。レトロな酒場に種々様々な音楽が響き渡りそうな作品である。」松武秀樹(音楽家、シンセサイザー・プログラマー)

■KMNZ Prize 1作品 

作品名:C’est la vie, SHOGYO-MUJO
作者:SAKI TAKEGAWA(3DCGデザイナー |日本)

C’est la vie「これが人生さ」と、仏教用語の諸行無常がテーマ。アーケードゲームを入り口に現実と虚構が交錯する。

審査員コメント:
「受賞、おめでとうございます。KMNZは音楽/ファッションを通じて、仮想と現実を繋ぐ存在を目指して活動しています。我々とは違った切り口で、仮想と現実を接続させたこの作品にシンパシーを覚え、受賞作品として選出させていただきました。アーケードゲーム機を用いた、2つの世界を行き来する演出から生まれる世界観が秀逸で、仮想に入る前/後での現実の差分から感じられる美しさと、そもそも“この世界自体が仮想(STYLY)によって作られている”というメタな儚さに感動しました。素晴らしい作品を世に生み出してくださり、ありがとうございました。改めて受賞おめでとうございます!」KMNZ(VTuberのガールズHIP HOPユニット)

■Media Ambition Tokyo Prize 1作品 

作品名:Piece of String
作者:Wyatt Roy(クリエイティブ・ディレクター |United States)

※SILVERとダブル受賞

審査員コメント:
「作品は、無機質な空間ではなく、作者の自邸を模した日常の一コマから始まるため、空間の中に自然に入りこむことが出来る。空間構成とストーリー進行のルールはとてもシンプルで明確だが、空間の抑揚 、ドラスティックな場面転換によって、連続的に驚きを与える作品になっている。VRが現実と切り離された仮想空間でありながら日常の延長のように感じさせるこの世界は、人間の創造的な表現を拡張しているように感じられた。」杉山央(Media Ambition Tokyo )

■展示情報

NEWVIEW EXHIBITION 2019 -DIFFUSION-
ファイナリスト作品を中心にVR体験できるエキシビジョンを渋谷PARCOで開催中。DIFFUSION=拡散をテーマに、拡がりを見せる3次元表現と体験の新世界を表現します。
期間:12/22(日)まで
時間:10:00~21:00(最終日は19:00終了)
料金:無料
会場:渋谷PARCO 9F クリエイティブスタジオ(東京都渋谷区宇田川町15-1)

NEWVIEW STAND
NEWVIEWプロジェクト、昨年の成果作品を中心に、気軽にVR作品を楽しめるVRスタンドを設置しております。
期間:12/22(日)まで
時間:10:00~21:00
料金:無料
会場:渋谷PARCO 5F特設会場(東京都渋谷区宇田川町15-1)

昨年PARCO Prize獲得、Discont氏のARインスタレーションが渋谷PARCOに展開

昨年実施のNEWVIEW AWARD 2018でPARCO賞を受賞したVR空間デザイナーDiscont氏が手掛けるARインスタレーション作品「World’s end supernova」が、渋谷パルコ5F「SHIBUYA XR SHOWCASE」での常設展示されています。

■SHIBUYA XR SHOWCASE
会場:渋谷PARCO 5F エスカレーター横吹抜け
https://shibuya.parco.jp/page/xr/

NEWVIEW AWARDS 2019 概要

NEWVIEW AWARDS 2019
(英語) https://newview.design/awards/2019/en
(日本語)https://newview.design/awards/2019/jp

■NEWVIEW AWARDS 2019について
NEWVIEW AWARDS 2019は、ファッション/カルチャー/アート分野のVRコンテンツを募るグローバルアワードの第2弾です。

本アワードは、すべてのクリエイターが3次元の空間表現(VR)を手にする近未来に先駆け、新たな表現やカルチャー/ライフスタイルを追求し、「超体験のデザイン」を牽引する次世代クリエイターを発掘することを目的としています。

■賞について

・ゴールド / Gold Prize (1作品) 賞金 20,000USD
・シルバー / Silver Prize (3作品) 賞金 5,000USD
・PARCO Prize (1作品):PARCOとタイアップした3D作品を制作し、渋谷PARCOに展示する権利
・KMNZ Prize(1作品) コラボ作家デビューができる権利
・HIDEKI MATSUTAKE PRIZE(1作品)松武秀樹氏とVRコンテンツを共同創作できる権利
・Media Ambition Tokyo PRIZE(1作品)Media Ambition Tokyoに作品出展できる権利

■審査員

夢眠ねむ(ゆめみねむ):夢眠書店店主・キャラクタープロデューサー/ Keiichi Matsuda:デザイナー・映像作家/ Nick DenBoer:映像作家/ Lu Yang:アーティスト/ Keng-Ming Liu:Bito創業者兼クリエイティブディレクター/倉本美津留:放送作家/大月壮:映像作家・映像ディレクター/豊田啓介:建築家(noiz )/谷口暁彦:アーティスト

■スポンサー

■パートナー

■メディアパートナー

■サポーター

主催 NEWVIEW PROJECT

NEWVIEWについて

3次元空間での新たなクリエイティブ表現と体験のデザインを開拓する実験的プロジェクト/コミュニティーとして2018年1月始動。ファッション、音楽、映像、グラフィック、イラストレーションなど、都市空間におけるカルチャーを体現するクリエイターとともに、リアルと空想を越境する次世代のカルチャー/ライフスタイル体験をデザインする実験を仕掛けていきます。国内外でのレクチャーやミートアップを通じて次世代のVRクリエイターの発掘・育成・交流を展開をしています。Web:https://newview.design/

お問い合わせ
NEWVIEW AWARDS 2019 事務局(担当 渡邊)


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