全国の自治体との更なる連携強化でVR活用を促進

 空間データ活用プラットフォームの「スペースリー」を提供する株式会社スペースリー(本社:東京都渋谷区渋谷3-6-2 第2矢木ビル3F、代表取締役:森田博和、以下「当社」)は、広島県江田島市役所(所在地:広島県江田島市大柿町大原505番地)の「遠隔地の移住希望者に対する空き家バンク物件のバーチャル案内」実証事業に対して、空き家内覧VRサービスを提供しました。その結果、問い合わせ数前年度比2倍、成約数ペースも前年度比2.4倍という実証結果を得られました。
 今回の実証結果を踏まえ、全国的な課題となっている空き家問題の解決、地方移住促進などに寄与し、地方活性化・地方創生により貢献するため、当社は全国の自治体と更なるVR活用を進めてまいります。

背景

 少子高齢化や地方における人口減少などによる空き家数の増加が社会問題となっています。令和2年に発表された「平成30年住宅・土地統計調査」(総務省統計局)では、空き家数は848万9千戸で全国の住戸の13.6%を占め、過去最高となりました。管理が行き届いていない空き家は地域に防災上、衛生上、景観上などの観点からさまざまな悪影響を及ぼします。今後の少子高齢化の流れの中、さらなる空き家増加が見込まれる地域は多く、有効的な対策が喫緊の課題となっています。

 他方、新型コロナ問題に対応したニューノーマルな働き方において、地方に住みながら都市部の企業で働くリモートワークや、観光地や帰省先など自宅以外の休暇先でリモートワークをするワーケーションに注目が集まりつつあり、地方の空き家への需要は高まりつつあります。

 そのような中、江田島市ではホームページでの空き家の情報発信は従前よりしていたものの、充実した情報を提供できておらず、問い合わせ数、成約数は十分ではない状況でした。オンラインでいつでも分かりやすい空き家情報を提供する上で、360度VRコンテンツが効果的と考えられ、広島県江田島市での実証事業のためにスペースリーが採択されることとなりました。

実証実験概要

 江田島市は、近年10年間は年500人ほどの人口減少が続いていたため、平成19年より人口減少問題に危機意識を持って取り組んでおり、江田島市への移住者や定住者を募る空き家マッチング事業を推進してきました。
 しかし、移住者への現地内見対応業務による職員の負担増加や、従来の写真掲載によるマッチングでは移住者への情報提供が不足していること、掲載した写真と実際の物件のギャップによりミスマッチが起きるなど、空き家事業への課題感を持っていました。

 2020年2月に移住問題対策として、空き家情報を掲載する移住ポータルサイトhodohodo( https://ijyu-etajima.jp/ )を公開すると同時に、当社のVRクラウドソフトを活用したコンテンツをサイト上に公開しました。それによって、遠隔地の移住希望者からもVR空き家内覧を可能にし、問い合わせ数の増減を定点的に観測する実証実験を行いました。

実証結果

 実証の結果、ポータルサイト開設前は相談件数が月6〜7件ほどのペースでしたが、ポータルサイト開設以降は月平均13件ほど(年間約260件)に増加し、約2倍の相談数となりました。

 また、2020年度の年間成約数18件に対し、2021年度は8月時点で14件成約をしており、8月時点で昨年度成約数の77%を達成。成約数ペースでは昨年度比2.4倍を達成しています。成約者へのアンケートでは、ほとんどがVRを見たと回答しており「VRを見て実際に内見したくなった」という声も聞かれています。

 さらに、VRコンテンツの掲載によって市役所職員の電話問い合わせ対応時間の削減効果も見られ、業務の効率化にもつながりました。

今後の展開

 今回の実証結果を踏まえ、空き家バンクへのVRコンテンツ活用をより拡張するため、スペースリーは江田島市と更なるVR活用を進めてまいります。不動産事業者へのサービス提供で培ってきたノウハウを、自治体の空き家事業・人口減少対策・移住促進などに活用いただき、ゆくゆくは「空き家対策ソリューション」としてのVRが当たり前となる未来を目指してまいります。
 
 また、広島県廿日市市でも2021年11月よりスペースリーの導入が決定しており、当社から全国自治体への更なる良質なサービス提供を目指してまいります。

 本取り組みにおいては、当社の導入事例紹介ページ( https://info.spacely.co.jp/case/ )にも詳細インタビュー記事を掲載しております。
https://info.spacely.co.jp/case/edajima_vr

■ 江田島市概要

 広島県江田島市は、広島市沖、広島湾に浮かぶ江田島・能美島といくつかの島からなる市です。瀬戸内海の中では4番目の大きさを誇る島です。広島市や呉市と隣接し、面積100.72平方km、総人口21,327人(令和2年10月1日時点)の市です。旧海軍兵学校、旧陸軍砲台跡など、戦跡レガシーが数多くある島で、瀬戸内海でも有数の夕陽ポイントです。加えて、自転車、トレッキング、カヤックなどアウトドアも盛んな島です。
【参考】
江田島市ホームページ:https://www.city.etajima.hiroshima.jp/cms/
江田島市移住定住ポータルサイト「hodohodo」https://ijyu-etajima.jp

■ 株式会社スペースリー

 空間データ活用プラットフォーム「スペースリー」は、2016年11月の開始以来、不動産・ハウスメーカーの営業活動や製造業の研修分野のDX推進のために6400以上の利用事業者にサービス提供されています。リーズナブルな価格、直感的な操作で、ウェブブラウザ再生可能な高品質のパノラマVRコンテンツを制作・編集・管理、活用までが一括してできるクラウドソフトです。
 スペースリーは、業界初の遠隔地でも簡単にVR空間の案内ができる遠隔接客機能や、パノラマVR写真へ家具を自動配置する機能を含むAI空間設計シミュレータ機能をいち早く実現する高い技術力を特徴としています。また、株式会社スペースリーは360度空間データや視線データの活用のためのAI x VRの研究開発を推進するためのSpacely Labを設立・運営しています。

【会社概要】
社名:株式会社スペースリー
URL:https://corp.spacely.co.jp
代表者:代表取締役 森田 博和
資本金:267,963,395円
設立年:2013年8月
所在地[本社] 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-6-2 第2矢木ビル3F
   [福岡営業所] 〒810-0001 福岡市中央区天神2丁目11-1 福岡PARCO新館5F
   [大阪営業所] 〒533-0031 大阪府大阪市淀川区西淡路1-1-9 ビジネス新大阪506
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