・Applied Materials社、Dispelix社、Osram社、Mega1社の最先端技術と製造技術を結集し、ARスマート・グラスの厳しい要件に対応
・MEMS(1)マイクロ・アクチュエータとBCD(2)プロセス技術におけるSTのリーダーシップを活用

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、拡張現実(AR)スマート・グラス・ソリューションの開発と普及を促進する「LaSAR™ Alliance」(Laser Scanning for Augmented Reality)を設立したことを発表しました。主要な技術開発企業、サプライヤおよび製造メーカーで構成されるLaSAR Allianceの設立メンバーは、ST、Applied Materials社、Dispelix社、Mega1社およびOsram社です。

LaSAR Allianceは、1日中着用できるARスマート・グラスの開発に取り組んでいます。このようなARスマート・グラスには、小型・軽量で消費電力を抑えつつ、良好な視野角(FoV)と広いアイボックスを実現するという技術的課題があります。メンバー各社は、STが開発したレーザー・ビーム・スキャニング(LBS)ソリューションをベースとするNear Eyeディスプレイにより、これらの課題に対応することができるという認識のもとLaSAR Allianceを設立しました。

LaSAR Allianceには、ARスマート・グラスを開発する上で基盤となる要素がすべて集約されており、STのMEMSマイクロ・ミラー・プラットフォームおよびBCDプロセスにおける専門技術、Osram社の小型照明光源、Applied Materials社とDispelix社の先進的なウェーブ・ガイドといった製品をMega1社の小型光学エンジンに集積します。これにより、スタイリッシュかつ機能性に優れ、快適に装着でき、アプリケーションに応じて重要な情報を提供するARスマート・グラスの開発が実現します。LaSAR Allianceのミッションは、ARスマート・グラス・アプリケーションの迅速な開発、採用、量産に必要なあらゆる重要技術の開発、入手、サポートを促進することです。

STのバイスプレジデント 兼 MEMSマイクロアクチュエータ事業部ジェネラル・マネージャであるAnton Hofmeisterは、次のようにコメントしています。「STは、MEMSミラー、MEMSドライバ、レーザー・ドライバ、制御ソフトウェアを組み合わせた高性能かつ低消費電力のLBSソリューションの開発・量産のリーダーとして、自社の技術がスマート・グラス / アイウェアにおけるARに大きな価値を提供すると認識しています。ST、Applied Materials社、Dispelix社、Osram社、Mega1社の重要な専門技術を結集して設立されたLaSAR Allianceは、卓越した技術力を持つ強力なビジネス・エコシステムであり、基盤となる開発を通じて快適なARスマート・グラス / アイウェアの普及促進を目指しています。」

Applied Materials社のEngineered Optics™プログラムのジェネラル・マネージャであるWayne McMillan氏は、次のようにコメントしています。「ARの広範な普及をサポートする上で最も重要な要件の 1 つに、高品質かつ高性能のウェーブ・ガイドを低コストで製造する技術があります。Applied Materialsは、材料工学での数十年にわたるリーダーシップと、工業規模での精密製造の専門技術により、このニーズをサポートします。1日中着用できるARスマート・グラスの開発加速に向けて、LaSAR Allianceや業界の各社と協力できることを楽しみにしています。」

Dispelix社の最高技術責任者(CTO) 兼 共同設立者であるJuuso Olkkonen氏は、次のようにコメントしています。「LaSAR Allianceに参加できたことを光栄に思います。世界をリードする当社のウェーブ・ガイド技術とメンバー企業の先進技術を組み合わせることで、1日中着用できる先進的なARスマート・グラス向けの包括的なディスプレイ・ソリューションをより簡単に統合することが可能です。当社のイノベーションにより、業界で既に最薄・最軽量のウェーブ・ガイド技術が、画質を落とすことなく新たなベンチマークとなるでしょう。」

Mega1社のCTO 兼 最高執行責任者(COO)であるMakoto Masuda氏は、次のようにコメントしています。「小型モジュールへの集積と自動量産技術は、次世代のARスマート・グラスを実現する上できわめて重要な役割を果たします。Mega1のLBSソリューションでは、あらゆる重要モジュールを1.2cc、3gの軽量光学エンジンに集積しています。当社はLaSAR Allianceのメンバー各社と目標を共有し、強みである量産能力において貢献します。この強力なビジネス・エコシステムにより、より高度なAR技術が早期に実現すると信じています。」

Osram Opto Semiconductors社の視覚化およびレーザー部門のジェネラル・マネージャ 兼 バイスプレジデントであるJörg Strauss氏は、次のようにコメントしています。「当社は、ARアプリケーションを開発する顧客にとって、サイズと電力が重要な指標であるという認識のもと、常にRGBレーザー・ポートフォリオの小型化と最適化に取り組んでいます。当社はLaSAR Allianceの設立メンバーとして技術力を提供し、1日中着用可能なARスマート・グラスにLBSソリューションを導入する上でのシステム関係の課題解決に貢献します。」

(1) MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems:微小電気機械システム)は、半導体の加工技術と製造技術によって、シリコンの小片に集積された小型の機械的および電気機械的素子です。マイクロ・アクチュエータは、マイクロ・ミラーの移動など、固体や流体の機械的動作を生成するMEMS製品です。
(2) BCD(BIPOLAR-CMOS-DMOS)プロセスは、パワー半導体分野における主要な技術です。STは、1980年代半ばより、この画期的な技術の開発を続けています。BCDプロセスは、高精度のアナログ信号処理機能向けバイポーラ、デジタル設計向けCMOS(相補型金属酸化膜半導体)、電力および高耐圧素子向けDMOS(二重拡散金属酸化膜半導体)という3つの異なるプロセス技術の優位性をワン・チップに集積します。

STマイクロエレクトロニクスについて
STは、約46,000名の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な独立系総合半導体メーカーです。約10万社のお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、IoT・5G通信の普及を可能にします。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト( http://www.st.com )をご覧ください。

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